« 2012 Tokyo Autosalon 二輪車編 | トップページ | 灯台下暗し »

2012年1月16日 (月)

PANERAI と ASTRODEA

かみさんが伊勢丹好きなので、
毎月伊勢丹からの通信が届く。

今月の18日から24日まで
メンズ館のある新宿店で
<パネライ>タイム&スペース
〜ガリレオに捧ぐ〜

というイベントがあるとのこと。

そこで先行発売される
ラストロノモ・ルミノール1950トゥールビヨンイクニエーションオブタイムチタニオ50MM
という時計、
背面に星座が描かれている。
おそらくは時と共に回る天体表示。

でも天体表示だけを比較すると
シチズンのASTRODEAの方が病的に凝っている。
時計としても銘板を時針と合わせてゆっくりと回す
これまた病的な構造。
なのにとてもリーズナブルな価格で
世に出てきてくれたのは日本製さまさま。
PANERAIの50MMの約1/500の値段ですからね。
工芸品としてのアプローチをしている
CAMPANOLA Cosmosignでも約1/60。

方や廉価なクォーツのムーブメント、
方やトゥールビヨンなので、腕時計としては
比較すること自体失礼なのかもしれませんが、
腕時計の価値というのはとても奥が深い。

病的に天体表示が正確であることの追求自体の価値を
理解してくれる人がそれほどいない
ということなのかも知れませんが、
このシチズンの天体時計は一人の従業員の方の
経歴から社内ベンチャーへと発展している。
アストロデア開発秘話

従業員の趣味から、唯一無二、
技術的且つ学術的に他の追随を許さない製品を
作り出せたのは日本という国だったからかもしれない。

一人一人の趣味に持ち前の技術を合わせる、
分野を跨がったコラボレーションが可能な土壌が
日本のものづくりの一つの優れていたところ。

なんて思ったりしながら
人材の絶対量の多い中国、インド、
国として業界を越えたコラボレーションを
戦略的にしているであろう韓国、
目の肥えたインキュベーターが多いだろう米国、
に対して個人、個企業だけの日本。
(逆に国が寄生虫になっているようにも思える)
アドバンテージはどんどん薄れているんだろうな。

永く続く時と、終りの近い時の両方を見た気がした。

|

« 2012 Tokyo Autosalon 二輪車編 | トップページ | 灯台下暗し »

コメント

 なんか時の流れがゆったりしてくる時計ですねぇ
 こういう凝った事がまだできる国だったんですね
 俺は時計のコレクションの趣味はないので2本の時計を使ってます
 一個はオーバーホール待ちのチュードルのデイトデイ
 これは買ってからもう20年越えました
 シンプルなデザインの中に日付と曜日が見やすく配置されててそれが欲しくて2ヶ月以上探し回ったもの

 もう一つが日本の技術者の趣味と根性で作り上げたかのようなセイコーインジェクション
 アナログ時計で世界初の1/100sのストップウォッチを備えた、でも針が見辛いので結局普通の時計としてしか使えない技術主導で作られたもの
 もちろんインジェクションシリーズにはもっと実用性の高い1/10sのストップウォッチのものもあるのだけれど、世界最速のためにどれだけ苦労したのかに思いをはせる事のできるこの時計にしました

 うん、日本にもまだこだわりを押し通す技術者は健在なんですね

 こういう技術者がいる、素敵な事です
 その芽を摘まないような会社が多ければいいんですけどねぇ

なみぞぅ>
ども。コメントありがとうございます。
技術者のこだわりとそれを受け取る消費者が上手く繋がって、持ちつ持たれつになるといいんですよね。そうすれば色々回るのですけどね。

投稿: たけ | 2012年1月16日 (月) 05時54分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: PANERAI と ASTRODEA:

« 2012 Tokyo Autosalon 二輪車編 | トップページ | 灯台下暗し »