生還
週末日曜日、
アメリカからの出張者と一緒に富士山を登りました。
...土曜日にしとけばよかった...
雨が降り始めた3.5合目くらいで、
この先駐車場が埋まっているのでと
路上に縦列駐車を依頼されます。
その場で雨具を着込み、行けるだけ行ってみようと
米人、かみさんと自分の3人で歩き始めた
富士宮側の5合目への道。
5合目からは登山道へ入ったのは7時ちょっと前。
6合目を越えたあたりで少し雨が弱くなって
その先の山小屋まで視界に入ると
おお、なんか行けるかななんて気になる。
もちろん米人にとっては初めてで滅多にない登山のチャンス。
という様なことで調子に乗るとろくなことは無いです。
8合目に届いたときには、
かなり降りが強くなって風も強くなる。
ここでかみさんギブアップ。
寒さと雨、ちょっと尋常ではない状態。
体力に余裕がある間に下っていてもらおうということで
無理しないようにゆっくりと下りてもらうことに。
ちょうど日の出を見終えた一行が下りている時間
周りに人が居ればまだ安心でもある。
10時前後か。
そこから9合目、9合5勺と登るのは
だんだんシャレにならない厳しさになる。
雨具は防水性は猛烈に自信があったバイク用のもの。
ただ登山という作業を伴った場合にこれが最適かというと
ちょっと問題がありそう。
やはり湿気の抜けが悪い。少しずつ内部のぬれが気になってくる。
というか気を緩めた瞬間に猛烈な冷えに教われる。
シャレにならんです。
9合5勺から10合目までのアプローチでは
登山道脇に出来た雨水の滝が
巻き上がるほどの吹き上げる風。
ほおをたたく広いつばの帽子から
目尻に入ってくる水は異物感を伴う。
火山灰だと激しい痛みがくるはずなのだが、
そういう訳でもない。
水が入ってくる目尻の方だけが異様に硬い感じをうけ
眼の表面に訳の分からない膜を作って視界を妨げていた。
どうやら着氷性の雨というやつで自分の身体をたたいたところで
氷になっていたらしい。
恐るべし頂上付近の富士山。
寒さも限界に達してきそうなところで
本当に凍えるように駆け込んだ10合目の山小屋。
歯の根のあわない状態でかっ込んだカップうどんでは
震えを止めるには不十分。
明らかに低体温症のきらいが出てきているので
これは早めに降りてしまおうと
とりあえず雨の中、富士山神社前で記念撮影をして
一目散に10合目から駆け下ります。
下りは気楽なもの。
あれほど置いてけぼりになっていた登りとは
うってかわってどんどん降りていきます。
寒さも気にはならない、
8合目の雨も温いものに感じる。
まじめに危ないことをしたことを実感。
笑って話せて幸い。
本当は社会人としては問題のある行為だったかも。
途中信じていた靴のビブラムがはがれたのも
ご愛嬌と受け止められる状況は
どれだけ10合目付近がひどい状況だったかということ。
下りの道ではもう元気よくすれ違う人々に挨拶。
夏山とは言うもののやはり日本の最高峰。
しかも昨今の天候不順を全部詰め込んだかの様な
頂上付近の風雨は、
プロのガイドをして8合目以上は登らないと言わしめた状況らしい。
よりによってそんなときに登ってしまった。
少なくともしばらくは富士山...、登らなくてもいいです。
辛かった。
月曜日の朝のFMで今年一番の日の出が拝めた
と言っていたのもいい思い出に花を添えてくれます。
きー。
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コメント
まぢでシャレにならんです。
軟弱な僕だったら中途棄権します。
ドクターヘリ飛んでたかも(飛べる状況か?)
生還出来て良かったー。
なみぞぅ>
ホント笑って話せてよかったです。
自然環境の変化にある程度親しんでいながら
こういうときに経験を活かしていないってのは
とても情けない状態でした(汗
投稿: setosan | 2009年8月 4日 (火) 07時14分
いやぁ~ほんとに無事に生還できてよかったですねぇ
ちなみに俺は五合までしか登ったことないです
なみぞぅ>
ども。
ホント、天気には気をつけないとです。
今回初めてが一番厳しい経験になりました(冷汗
投稿: たけ | 2009年8月 4日 (火) 23時49分
奥様賢明でしたね。ご無事でよかった。
富士山の今年一番のご来光、私もラジオで聴いていましたよ!そうか、なみぞぅさんは立ち会ったのね。超らっきー。同行の方も忘れ得ないでしょう、っという〆でイイヨネー
なみぞぅ>
こんにちは。
かみさんの賢明さにはホント感謝でした。
かなり厳しい環境でしたので...。
で...、ご来光は...、拝まずに雨の中下山してしまひまひた。
一番サラリーマンが遭難するパターンです...。
投稿: rurri | 2009年8月 6日 (木) 11時29分