価値観って
先日のGallinaで宮が瀬に行った時の出来事、
脈動の強い排気音で赤いとドカと間違えられるに
コメントをいただきました。
単気筒やツインに乗っている人に取っては
日常でそれらの排気音に接しているので
違いに気づくと思いますが、
あまり関心の無い人に取っては
脈動のある排気音で前傾だとドカ、
直立に近いとSR、後傾だとハーレーという
大括りになってしまうのかななんて気がして。
前にも書いたかもしれませんが、
昔読んだアイザック・アシモフのSFで
金星人の芸術品についてのくだりがあったのを連想します。
金星は高温で水蒸気と二酸化炭素の雲に覆われて
一日中夕暮れのような景色。
夕焼けの赤い波長域の光が一日中降り注ぐのだが、
その環境で暮らしている金星人は
地球人にとっては「赤」と表現される狭い範囲の色の
微妙な違いをきちんと認識出来て
その差に芸術性を見出すことが出来るというもの。
音の違い、聞き分けなんかも
そんな領域の話なのかななんて気がします。
同じ4気筒でももちろんV4は直4と全く違う音ですし
直4同士でもNinjaとGSX-Rじゃ違う音ですしね。
自分に取っては4気筒の音の聞き分けの方が難しいです。
とかくアピールする側が個性と受け取られますが、
同じ現象をどう受け取るかもいろんな個性があるんでしょうね。
ただどう受け取ったかは表現しないと解らないから
あんまり表にでないんでしょうけど。
本当の価値観の多様性を認める文化というのは
そういう受け取り方の多様性も認めることなのかな。
脱線ついでに。
Gallinaのキャブレータセッティング今年もまだ途上、
来年はもしかしたら排気系を見直して
更にドツボにハマるかも...。
でも自分の乗り方、普段のスピード、
どういう道をどのギアでどのくらいの開度で走るのか、
そのときどのくらいの加速がいるのか、
また「加速感」がいるのか、
エンジンは何回転くらいか、
そういう走り方ってきっと千差万別。
一概にどういうセッティングがいいのかというのは
多分定義できないんだろうななんて気がしてきた。
悩んだ時、きっとハヤシカスタム社長の経験から
なにかしらアドバイスはもらえるんだろうけど、
それがすなわち「解」にはならないんだと思う。
いろんなチューニングパーツのセッティングデータは
多分ある条件である人にとっての良いセッティングで
別の感覚の人に取ってベストであるかは、
受け取り手の判断に委ねられるので保証は出来ないはず。
機械としての最高出力を規格に沿った試験法で引き出す
セッティングはあるんでしょうけど
より感覚に近いバイクという乗り物では
感覚を満たすための多様なセッティングがあるんじゃないかな。
誰でも乗れるというのも大切なのかもしれないけど
そのおかげで感覚に訴える部分の楽しみが減った気がする。
一部スポーツバイクはもっと高度な感覚の楽しみがあるのかもしれないけど
ビビリミッターが早く効いてしまう私にはちょっと楽しめないかも。
単なる移動手段ではないバイクの価値を感じたい、
そんな気がする、原油高や経済危機の兆しが見えた
'08年の締めくくりです。
皆さん良いお年を。
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