音の匠
日本オーディオ協会 のイベントで
毎年音の匠を選出しているとのニュース。
今年はナレーターの中村啓子さんが受賞されたということ。
中村啓子さんの声は時報や
携帯の留守電サービス移行時の声として聞けます。
金曜の朝のズームインスーパーで紹介されてましたが、
常々イントネーションに注意されているとのこと。
インタビュー最後に一言くださいとの要望に
「朝だから明るく(だったかな?)、ズームイン!」と
語尾が明るく若干の上がり調子で、
何でも無いズームインがものすごく心に残りました。
自分も人と話すときのイントネーションや
相手との距離、応答の状況からの相手の心境、
それに応じたこちらの調子、
同じ言葉でも話し方でいろいろ変わると思うから
こちらとしてもちょっと気を使ったりする。
高校の頃に所属していた演劇部、
(だったんですよ...(^_^;)ゞ)
顧問の先生が「お前どこに向かってしゃべってるんだ」と。
舞台の上で客席に声を届くように話さなければならないが、
近くにいる相手に話しかけている調子と
遠くにいる相手に話しかけている調子は違うだろうと。
いろいろ考えさせられた、
でもものすごく糧になっている経験。
だからこそ今の社会のここかしこでの会話の様子に
違和感を覚えてしまうのかもしれない。
闇雲に声の大きい人、間合いを取らない会話。
日本語の崩壊が心配されますが、
言葉そのもの、会話というコミュニケーション手段
そのものの崩壊の兆しが出ている様な気がして
憂いを感じます。
俳優として出始めた頃のくぐもった早口でしゃべる
片岡鶴太郎を好きになれなかったのは
多分その会話の様、間合いを感じさせてくれない
演技のせいだったからかもしれない。
なんて改めて中村啓子さんの受賞インタビューを聞いて
思ってしまいました。
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