疑似刺激の氾濫
今車検に出しているK11マーチにはAZZESTの
DSP付きヘッドユニットが付いている。
個人的にはこのDSPというものはあまり好きではない。
一時期トヨタの純正オーディオにもDSPが標準で付いていたが、
元々の音が音なだけにとても楽しい代物だった記憶がある。
記号性万歳。
反響音をコントロールする、音像の位置制御をする、
ホームシアターの普及のおかげで5.1chが当たり前の様に
家電量販店にならんで、それ用のソフトが簡単に手に入る。
BOSEに至っては反響音の聞こえ方を解析して、フロントスピーカーのみで
後方の音像も制御するシステムなんかを供給してくれている。
ところでこの音像というのは皆が皆同じ感覚を持っているのだろうか?
人間の耳たぶに襞があるのは、襞で反射して変化する入力によって
音源の位置を解析するためというのを聞いたことがある。
視覚情報と同時に入力される聴覚情報を経験的に繋げていくことで
聴覚だけで音源の位置を認識できる様になっていくのではないだろうか?
そう考えると、子供の頃からヘッドフォンを耳にはめ、
視覚情報と関係のない聴覚情報に浸っていると
この音源解析能力の育成が出来ず、
BOSEの開発者が必死に作り上げた解析反射波風波形を含む音も
単なる前方からの音としか認識できないということも起こりえるのかも。
この感覚が経験の蓄積で育成されるものだとすると、
DSP開発者やその評価者達と異なる環境で育った耳には
開発者が思ったような音の広がる感じを
脳内で再現させるに至らないのではないだろうか。
インナーイヤーヘッドフォンとPSPや携帯で聴覚、視覚、触覚の全てを封じ、
ファーストフードのわかりやすい味と臭いで味覚と嗅覚を覆う。
我々のような既に育成自体は終ってしまい、感覚が衰えていく中で、
その錯覚を楽しむことが出来る人間に取ってこのような商品は
エンターテイメントとなり得るが、
感覚の育成段階で擬似的なものに数多く曝される
今の子供の五感の育成がちょっと心配になった。
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コメント
擬似体験のお話とても興味深く読みました。自分がそういうふうに育っていないので、そんな影響があるかもしれないとは考えもしませんでした。
ファーストフードのくだりを読んで、やっと理解しました。
耳にも同じことが言えるかもしれない…怖いですね。
感覚が狂ってしまえば、自己防衛能力も減るということですし。
食べ物に関しては私が吐き気をもよおして食べられないものを若者が平気でバクバク食べているのを見て怖くなります。
マ○ドとコンビニ弁当は私は食べられません。
擬似体験恐ろしいですね。
ゲームなどもそうですよね。ほのぼの系(DSlite)なども出てきて、つい買ってしまいましたが、やっぱり飽きてしまいました。本物には叶わないことを体が教えてくれます。
>なみぞぅ
こんにちは、みーちゃんさん。ブログでははじめましてですね。
科学の進歩で生活水準が上がっているとは言うものの、
人間が持つ尺度全てを掌握できてはいないということを
認識しないといけないんだろうなと最近思ってます。
ある切り口では正しいことも総合的に見るととんでもないことだった
というのは良く有ることですよね。
いろんなことを感じられることを楽しみたいと思います。
今後とも宜しくお願いしますね。
投稿: みーちゃん | 2007年9月17日 (月) 12時51分
よろしくです~。バイクネタとってもディープな感じでついていけたらいいのになーと思いつつ、読んでも分かりません( ;^^)へ..
こちらこそよろしくお願いします。
ブログ引越しました。ココログからアメーバへ。
ココログもしばらくは閉鎖しませんが。
>なみぞぅ
バイクも,クルマもちょっとコアな世界に浸ってますので
程々でのおつきあいでかまいませんですよ。
時々今回のような思いつきの変なコメントを寄せますんで
宜しくお願いしますね。
投稿: みーちゃん | 2007年9月18日 (火) 12時41分